2025年1月23日、初めて瀬戸内海に浮かぶ「小豆島(しょうどしま)」へ行ってきた。有名な観光地(島)なので、訪れた方も多いのではないだろうか?
小豆島といえば、以下のものが有名だ。
- エンジェルロード
- オリーブ
- 醤油
- ごま油
- そうめん
- アート
特に、干潮時にだけ現れる「エンジェルロード」、日本で初めて栽培に成功した「オリーブ」を使った名産品・特産品が有名だろう。


また、2010年に始まった「瀬戸内アート」も多くの人気を博している。
そのほかには、Instagram映えするようなお洒落カフェやスポットはもちろん、風光明媚な名所が点在しており、老若男女問わず満喫できる島だ。




さて、ここで終わればただの”ありふれた旅行日記”になってしまうので、本題へ入ろう。
観光客向けの商品やサービス、観光スポット以外に「なぜこの島が昔から人を惹きつけるのか?」という疑問を感じた。
今では”観光島”として成熟されているが、何か決定打があるはずである。そして、1泊2日の旅行を通した中でこんな仮説にたどり着く。
巨石信仰は、旧石器時代(約30万年前)や新石器時代(日本は縄文時代あたり)からあったと考えられており、世界各地で太古から自然発生的に石を信仰する習慣が生まれている。




そのほかにも、日本書紀にイザナミの墓と記された巨石を祀る「花窟神社」、出雲国風土記にも登場する高さ約30mの海蝕洞窟「加賀の潜戸」、琉球の始祖アマミキョが降臨したとされる「斎場御嶽の三庫門」など、あげだしたらキリがないほど”巨石信仰”は各地に点在しているのだ。
巨石信仰が発生したとされる当時の旧人、ネアンデルタール人やクロマニョン人などは、現生人類みなの祖先である。
いくら時代が過ぎようと、太古の奥底から連綿と受け継がれてきたDNAに巨石信仰がプログラミングされていていると考えると、ロマンに満ち溢れて鳥肌がたつ。
小豆島には、先に紹介した観光スポット以外にも、多くの埋もれた名所がある。むしろ、ちょっと人気のない名所こそ、本物の小豆島を知れると思う。
1:天狗岩丁場

天狗岩丁場は、江戸幕府の2代将 軍徳川秀忠が元和5年~寛永6年(1619~1629年)にかけて、大坂城(当時は坂)の石垣を改築工事するために使われた石切場だ。
竹林の中にそびえたつ巨石は、圧巻の風格だ。

オランダ人(男性の平均身長は183.8cmと世界最高)並みの身長が、霞むほどの大きさである。
2:大坂城石垣石切とび越丁場跡および小海残石群

大坂城残石資料館の側に残された当時の巨石。

大坂城残石資料館横の道の駅で食べたニシ貝(アカニシ貝)は、かなりおいしいのでぜひ。

セブンイレブンでも売られているが、そのサイズの違いに注目してほしい。

3:江洞窟

手前には、岩を削った広々とした半地下の洞窟があり、その中に本尊が納められている。弘法大師が悪魔を封じ、自ら刻んだ弁財天を祀っており、首から上の病気にご利益があるとのこと。

4:清見寺奥之院仏ケ滝

奈良時代の天平(729年ごろ)に弘法大師が修行したとされる洞窟で、不思議なご利益を授かれる碁石(御加持石)がある。
遠くから見ると、まさに巨石。

5:小瀬石鎚神社



6:寒霞渓

最後は、小豆島を代表する観光スポット寒霞渓(かんかけい)だ。
寒霞渓は、約1300万年前の火山活動や地殻変動、風化、浸食によって作られた日本三大渓谷美の1つ。日本書紀にも奇岩の渓谷美が記され、美しい”水墨画”とも称される。

寒霞渓では、大小さまざまな奇岩と渓谷を楽しめる。

まさに、小豆島自体が1つの大きな”巨石”のように感じられるのではないだろうか?
以上が、個人的な巨石魅惑スポットのすべてだ。そこで、もう一度この話の本題を思い出してほしい。
小豆島のエンジェルロードやオリーブ、醤油は”表の顔”だ。むしろ、この島自体が”巨石”なのではないだろうか?
それなら、世界中の人類に刻まれているであろう”巨石信仰DNA”が発動し、意図せず多くの人々を魅了しているのでは?と。
さて、あなたはどう感じただろうか。
花崗岩の名産地、雄大な巨石が数多く残り根付く小豆島に魅せられたならば、ぜひ表の顔も楽しみつつ裏のスポットに注目してほしい。
もしかしたら、連綿と続く太古のDNAが騒ぎ出すかもしれない。