【天橋立】元伊勢籠神社のヤンチャな”狛犬”は見逃し厳禁

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日本を代表的する景勝地、日本三景の1つ”天橋立(あまのはしだて)”

宮津湾と阿蘇海の海流がぶつかって少しずつ砂が溜まり、約3.6㎞に渡って白い砂浜と約5,000本の日本固有種である黒松が立ち並ぶ”白砂青松”の景勝地だ。

「丹後風土記」によれば、いざなぎのみことが天界と下界を結ぶためにハシゴを作って立てかけていたものの、寝ているあいだに倒してしまい、その倒れたハシゴが天橋立になったとも伝えられている。

日本三景 天橋立

天橋立は平安時代から現代にかけて、多くの人々に訪れられ憧れの地としてその名が轟いていて、特に外国人観光客数は増加傾向、前年の約15倍にも増えている。

また、グルメも人気で、店先で炙った香り引き立つ”黒ちくわ”や、新鮮なイカ、アサリなどの名物も欠かせない。

手創りの店 傘松の里

一方、観光やグルメだけで終わってしまってはもったいない。ぜひ、天橋立に訪れたのなら「元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)」にお参りしよう。そして、かわいくてヤンチャな狛犬をぜひ見てほしいのだ。

2025年1月2日に元伊勢籠神社へ行った

元伊勢籠神社は”元伊勢”と名前が付くだけあって、太陽の神であり皇室の祖神でもある天照大神(あまてらすおおかみ)を祀る「伊勢神宮」の元である。

籠神社には、もともと食物の神である豊受大神(とようけのおおかみ)がいたのだが、そこに天照大神がやってきて一緒に暮らすようになった。その後、2柱は伊勢神宮に移り、今も伊勢神宮で暮らしている(祀られている)。

全国に天照大神がいたとされる「元伊勢」は多いものの、天照大神と豊受大神が一緒にいたのはこの”元伊勢籠神社”だけ。そのため、強力なパワースポットとしても有名になっている。

さまざまな見どころがある元伊勢籠神社だが、わたしがおススメしたいのは神門前に鎮座する狛犬だ。

左:吽形の狛犬
右:阿形の狛犬

実はこの狛犬たち、かなりヤンチャな狛犬である

鎌倉時代に作られたこの狛犬は、名作として重要文化財になっている。また、狛犬にしてはめずらしく、野ざらしにならないように立派な屋根までこしらえられてるのだ。そして、この狛犬にまつわる話が面白い。

昔、作者の魂が宿った狛犬たちは天橋立に出てはワンワン暴れまわり、通行人を驚かせて遊んでいた。しかし、暴れたり脅かされたりしては、人間側としてもおっかないのである。

そこで、この地にやってきていた伝説の剣豪・岩見重太郎が「僕が何とかしてあげますよ」と言ったか言わなかったかは分からないが、狛犬の脚に一太刀浴びせてお仕置きし「ちゃんとハウスしなさい」と言うと、それ以来きちんと神社に戻って役割を全うしたと伝わっているのだ。

参照:岩見重太郎の刀傷が残る

この時に岩見重太郎につけられた刀傷は、今も右側阿形の狛犬に残っている

岩見重太郎は桃山~江戸初期に活躍したとされる武芸者で、父の仇討のために各地を旅したとされ、その道中で怪物退治をはじめとする数々の武勇談を打ち立てた人物だ。ちなみに、仇討は天橋立で達成されている。

参照:大きなヒヒを倒す岩見

そのほかにも岩見重太郎は、青森県の”ねぶた祭”や、大阪府岸田和市の”だんじり”の彫り物としてあしらわれているのも特徴だ。

参照:ねぶた祭の岩見
参照:岸和田市上松町地車

勇壮な祭のテーマにぴったりの人物で、いまだにその豪傑ぶりや伝説が人々を魅了するのだろう

見逃し厳禁の”狛犬”のお話は以上だ。

天橋立は、ただの景勝地や観光スポットだけではない、古事記にもつながる歴史深い場所である。ぜひ、天橋立に訪れたならヤンチャな狛犬と岩見重太郎の伝説に思いをはせてみてほしい。

天橋立ビューランドからの眺め
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