76回目の国際宇宙会議 「IAC 2025」がシドニーで開幕|日本はJAXAが出展、宇宙ごみ問題など議論

credit:IAC 2025 @IAC2025sydney
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世界各国の宇宙機関や民間企業が一堂に会する「国際宇宙会議」が、オーストラリアのシドニーで29日開幕し、今年は「持続可能な宇宙」をテーマに掲げ、増加し続ける「宇宙ごみ(宇宙デブリ)」の問題解決を含めた議論が展開されている。

「国際宇宙会議」は76回目を迎え、29日から5日間にわたり開催され、参加者はおよそ100か国から政府関係者、研究者、企業の代表ら約8000人に及ぶ見込みであり、世界の宇宙産業の現状と未来を示す場として注目を集めている。

credit:IAC 2025 @IAC2025sydney

会場には各展示ブースが並び、研究成果や技術開発の進展を紹介する催しが行われる。

日本からは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が出展し、来年度以降に打ち上げを予定している月探査機の模型を公開。探査機は月の土壌に含まれる水分量を分析する計画を担い、将来の月面利用の基盤を築く役割を果たすと説明している。

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一方、アメリカでは宇宙政策に大きな転換が生じており、トランプ政権が米航空宇宙局(NASA)の予算を前年度比で24%削減し、約60億ドルの縮小方針を示したことに加え、職員の2割を超える約4000人が退職を申し出る事態となり、国際的な宇宙開発計画全体への影響が懸念されている。

また、近年は世界各国でロケット打ち上げ回数が急増し、役割を終えた人工衛星や破片が地球周回軌道上に残存する「宇宙ごみ(宇宙デブリ)」の増加が深刻化

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宇宙ゴミ(宇宙デブリ)credit:NASA

宇宙空間の利用を持続可能にするための取り組みは急務となっていることから、今回の会議は「持続可能な宇宙」をテーマに据え、今後の開発や利用の在り方をめぐる国際的な意見交換が行われている。

参照:第76回 国際宇宙会議(International Astronautical Congress; IAC 2025)


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