【NASA】火星の岩から痕跡発見”微生物が存在した可能性がある”と発表

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米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)が、火星探査車パーサヴィアランスが採取した岩石から、過去の火星に生命活動が存在した可能性を示す特徴を発見したと2025年9月10日に発表。

発見されたサンプルは「チェヤヴァ・フォールズ」と名付けられた赤みがかった岩石から採取され、「サファイア・キャニオン」と名付けられた。

火星探査車パーサヴィアランスは、NASAのジェット推進研究所(JPL)が開発した火星探査車。2021年2月に火星に着陸。合計19台のカメラと2つのマイクを搭載している。

パーサヴィアランス号とチェヤヴァ・フォールズ。credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS

この岩石層が粘土やシルトで構成され、有機炭素、硫黄、酸化鉄、リンが豊富に含まれていることが明らかとなった。これらの鉱物は地球上では微生物の痕跡を保存する役割を果たすことが知られている

また、高解像度画像の解析で、サファイア・キャニオンには色とりどりのヒョウ柄の鉱物パターンが見つかった。

ヒョウの斑点のある岩を発見。credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS

斑点には鉄を多く含むヴィヴィアナイトとグレイジャイトが存在し、地球上では微生物活動に関連することがある

ヴィヴィアナイト
グレイジャイト

ヴィヴィアナイト(藍鉄鉱)は、地中では無色透明、空気や光に触れると酸化により鮮やかな濃青色や緑青色に変化するリン酸塩鉱物。グレイジャイトは、硫化鉄の一種で強い磁性をもつ鉄鉱石。

ただし今回の分析では、高温や酸性条件による変性の痕跡は見つかっておらず、有機化合物が触媒として機能したかは不明である。

将来的にサンプルを地球に持ち帰る「マーズ・サンプル・リターン」ミッションが計画されており、サファイア・キャニオンのサンプルも回収候補に含まれている。

しかし、トランプ政権は予算削減の一環で、サンプルの持ち帰り計画を終了する方針を打ち出しているため、分析が進むかどうかは不明だ。

参照:NASA Says Mars Rover Discovered Potential Biosignature Last Year|NASA
参照:Redox-driven mineral and organic associations in Jezero Crater, Mars | Nature
参照:NASA’s Perseverance Rover Scientists Find Intriguing Mars Rock | NASA

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